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メッセージ >
聖書の学び
Title
第17課「相手を感動させていのちまで与えられる善」
Speaker
堂会長 イ・ジェロク 牧師
Bible
Date
2016-04-07
読むみことば: マタイ5:39_42
覚えるみことば: ローマ12:20_21
参考にするみことば: ローマ9:3
教育目標: 悪い相手に善を行ってむしろ感動させ、いのちをも惜しまず与えられる最高の善を耕す聖徒になるようにする。
歳月が流れるほど罪と悪がはびこって、善を見つけにくくなりました。もしこのような世の中でまことの善を行って、多くの人を光の中に導くことができるなら、神に大いに愛されるでしょう。悪に悪をもって対抗はしませんが、心に悪い感情があって抑えて我慢するのは「一段階の善」です。これは世の人々が見ていい人だとは言えますが、神の御目にかなう善ではありません。神がお認めになる善は心にどんな悪い感情も抱かない「二段階の善」からです。この段階にだけ至っても、心に喜びと感謝、幸せ、愛が満ちます。
1. 悪を行う相手を感動させられる「善の三段階」
善の三段階は悪を行う相手にも善を行って、むしろ感動を与えることができる次元です。心に悪がないので悪をもって対抗しない「善の二段階」が消極的な善の段階とすれば、善をもって悪に打ち勝つ「善の三段階」は積極的な善の段階と言えます。
善の三段階に入った人は心が真理で満たされて「全く聖なるものとされた」と言えます。たとえば、<マタイ5:39_42>に「あなたの右の頬を打つような者には、左の頬も向けなさい。あなたを告訴して下着を取ろうとする者には、上着もやりなさい。あなたに一ミリオン行けと強いるような者とは、いっしょに二ミリオン行きなさい。求める者には与え、借りようとする者は断らないようにしなさい。」とあります。このようなみことばをまことに心から自然に行える人なら、善の三段階に入ったのです。
自分の損得を先に計算しないし、善を行うためには犠牲も気にしません。また、自分を敵のように憎む人がいても、「どうすればその人の心をほぐして平和をつくろうか」と考えます。そうするうち、善の深い段階に入るほど、自分を犠牲にすることが多くなることもあります。しかし、善を行うこと自体がうれしくて楽しいので、これがつらく思えません。
さらに、霊的に罪がないことが力なので、悪を捨てて善を心に耕したほど霊的な光も強く現れます。善の二段階にだけ入っても、霊的な光によって敵である悪魔・サタンが働けないので、試練や患難や迫害が退きます。まして善の三段階に入るなら、あえて悪い者が触れることができないだけでなく、敵である悪魔・サタンの策略を打ち砕けるのです。
たとえば、悪を行う相手に良い言葉と行いで感動を与えて、その人が悔い改めて立ち返るみわざが起こります。これは、善を行う人の霊的な光が強くて、相手に働いている敵である悪魔・サタンが退き、その心に残っている小さい善にまでその光が届いたからです。
したがって、神がお認めになる善は、単に優しいから負けてあげて、すべてを渡すことで終わるのではなく、敵である悪魔・サタンを退けて、その策略までも打ち砕く大きい威力があるのです。
ダニエルの場合、不当にも陰謀によって獅子の穴に投げ込まれましたが、陰謀を企てた人々に対してどんなわだかまりも恨みもありませんでした。王が悪い者たちの策略に振り回されて、自分の命を助けてくれなかったからといって、むなしく思いませんでした。
ですから、神が働かれて獅子の穴から生きて帰ったとき、感動的な言葉で王に告白できたのです。「王さま。永遠に生きられますように。私の神は御使いを送り、獅子の口をふさいでくださったので、獅子は私に何の害も加えませんでした。それは私に罪のないことが神の前に認められたからです。王よ。私はあなたにも、何も悪いことをしていません。」と言ったのです(ダニ6:21_22)。
このような善の言葉を聞いたとき、王がどれほど感動したでしょうか。直ちに王はダニエルに害を加えようとした人々に罰を与え、ダニエルを高くして輝かせました。それだけでなく、王は全国にダニエルの神を尊重するように命令しました。
ダニエルのように相手を感動させる善に至れば、神がいつもともに歩まれ、何でも心に抱いたとおりに答えてくださいます。ダニエルは自分のいのちまで与えられる最高の善を耕して、天国でもとても尊い人になりました。
ひょっとして「私はまだ悪も完全に捨てていないのに、いつ善の二段階を過ぎて三段階になれるのだろうか」と思う方がいるでしょうか。まだ悪を完全に捨てていないとしても、熱心に善を行おうと努力するなら、変えられることができます。神を愛するので良いほうに思って話し、善を行おうと努力するなど、最善を尽くして善を積んでいけば、それだけすみやかに悪を捨てることができます。
善の二段階でも、時によって相手に感動を与える積極的な善が出て来ることもあります。時には相手に真っ向から対抗しない程度で終わる場合もあり、時には悪を行う相手の心を安らかにする良い言葉を口にしたりもします。一歩進んで、相手の心に感動を与えられる良い行いが出て来ることもあります。
ところが、善の三段階ではこのような良い言葉と行いがいつも出て来るのです。したがって、悪を行う相手に対してたまに良い言葉と行いが出て来たからといって、自分を善の三段階と錯覚してはいけません。果たしてどんな状況でも、どんな相手に対しても心が穏やかで、いつも相手に善を行えるのかをチェックしてみなければなりません。
2. 悪を行う相手のためにいのちをも与えられる「善の四段階」
最も次元の高い善は、悪を行う相手のためにいのちをも惜しまず与えられる「善の四段階」です。それは、罪人のためにひとり子イエス様をなだめの供え物として渡してくださった神の善の次元です。また、正しい人や情け深い人だけのためでなく、罪人のためにご自身のいのちを与えてくださったイエス様の善の次元がこれに当たります。
イエス様が十字架の苦しみを受けておられるとき、その理由を知っている人はいませんでした。ほとんどがイエス様は罰せられ、苦しめられていると思いました(イザ53:4)。しかし、イエス様はご自身のそむきの罪のためではなく、罪人が受けるべき死という律法の呪いから贖い出すために、木の十字架にかけられて死なれたのです。傷のない尊い血を注ぎ出されたことによって、罪人のすべての罪をただ一度で贖ってくださいました。
十字架の苦しみの中でも、イエス様はご自分を死に至らせるユダヤ人とパリサイ人も、むち打って十字架につけた兵士たちも、十字架の摂理を悟って悔い改め、救われることを望んでおられました。すべての人が神の愛と恵みを悟り、神が望んでおられるまことの子どもになってほしいと思われたのです。
聖書を調べてみると、イエス様のように悪を行う相手のためにいのちをも惜しまず与えられる、四段階の善に至った昔の信仰の人々がいます。
モーセは神のことばに逆らって不従順を繰り返すイスラエルの民のために「ああ、この民は大きな罪を犯してしまいました。自分たちのために金の神を造ったのです。今、もし、彼らの罪をお赦しくだされるものなら──。しかし、もしも、かないませんなら、どうか、あなたがお書きになったあなたの書物から、私の名を消し去ってください。」と切に求めました(出32:31_32)。
多くの神のみわざを見ても、自分の利益と合わなければ、いつもつぶやいていたイスラエルの民です。それどころかモーセを恨み、石で打とうとまでしました。それなのに、自分のいのちと引き換えに彼らの罪を赦してくださいと神に祈ったのです。
使徒パウロは「もしできることなら、私の同胞、肉による同国人のために、この私がキリストから引き離されて、のろわれた者となることさえ願いたいのです。」と祈りました(ローマ9:3)。ここで「私の同胞、肉による同国人」とはユダヤ人とパリサイ人のことで、当時、使徒パウロを迫害してそしった人々です。それどころか、パウロを殺してしまうまでは飲み食いしないと誓い合った人たちもいました。このように自分を迫害してそしる人であっても、自分が救われないとしても、彼らは救われることを願ったのです。
この他に、エリヤ、エノクとアブラハムのような方々も最高の善の次元に至りました。このような次元に至れば、敵である悪魔・サタンが妨げることができないし、心に願いを抱くだけでも答えを受けることができます。また、上から神の力も授けられて、多くの人々を救いの道に導き、神の御座の近くでとこしえに栄華を味わうことができます。
したがって、罪と悪がはびこっているこの世と調子を合わせないで、心の一新によって自分を変え、昔の信仰の人々のように最高の善を耕して、最も美しい天国、新しいエルサレムの主人公になりますように。
* まとめと適用
( )の中に合う言葉を本文から見つけて書いてください。
1. 善の三段階では、悪を行う相手に良い( )と( )で感動を与えて、その人が悔い改めて立ち返るみわざが起こる。
2. 善の四段階は最も高い次元の善であって、悪を行う相手のために( )をも惜しまず与えられる段階である。それは、罪人のためにひとり子イエス様をなだめの供え物として渡してくださった神の善の次元である。
* 今週の課題
次回は「起きよ。光を放て。」というみことばについて学びます。<イザヤ60:1><第一ヨハネ1:5><エペソ5:8>を読んできましょう。
* 知って力にしましょう
「最高の善に至ったエノク」
もともととがったところがなく、純粋で優しい性情を持っていた。いつも神について探り窮めながら霊の世界について考えていた。何を見てもそのまま通り過ぎないで、神の心と思いを見つけようとし、霊的なことを探り窮めた。気が強いとか自分を言い張る性情ではないが、神を捜す時は積極的だったので、神と深く交わることができた。万物に込められている神の心と思いを推し量って感じるのに積極的だったエノクの性情が、神に喜ばれることにおいて大きい土台になった。
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