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メッセージ >
聖書の学び
Title
第23課「義のために迫害された使徒パウロ」
Speaker
堂会長 イ・ジェロク 牧師
Bible
Date
2015-12-11
読むみことば: 第二コリント11:23_27
覚えるみことば: 第二テモテ4:8
参考にするみことば: ローマ9:3
教育目標: 異邦人の使徒として世界宣教の礎石になった使徒パウロを通して、まことの信仰とは何か悟るようにする。
使徒パウロは一度受けた主の恵みに対する感謝がどんな状況でも変わりませんでした。いくらひどい苦しみと迫害を受けても、主に感謝する心の香りは日増しにさらに濃くなりました。主の心に似せられて、相手のために自分のいのちも喜んで渡せました。それで、新約時代の最高の使徒として神の力を行い、異邦人宣教に先立っただけでなく、ついには殉教にまで至りました。
1. 主に出会って回心した使徒パウロ
使徒パウロはきっすいのヘブル人であり、当代最高のガマリエルのもとで教育を受け、律法に詳しいパリサイ人でした。敬虔なユダヤ教の信者だった彼は、神に対する心がすばらしかったです。自分の義がとても強くて、自分が持っている知識と義で論じて負けまいとする性分だったので、イエス様が神の御子であり、救い主だと伝える人々を容認できなかったのです。まるでモーセと律法を無視するようだったので、イエスを信じる人々を迫害しました。しかし、主に出会ってから、異邦人の使徒となってイエス・キリストを伝える、驚くべきみわざが起きます。
ある日、パウロはイエスを信じる人々を捕らえにダマスコに向かっていました。ところで、突然、天からの光が彼を巡り照らして、「サウロ、サウロ。なぜわたしを迫害するのか。わたしは、あなたが迫害しているイエスである。」という声を聞きました。サウロはパウロの別名です。その後、パウロは三日の間、目が見えず、また飲み食いもしませんでした。主の弟子アナニヤがサウロの上に手を置くと、目が見えるようになりました。
彼はアナニヤを通して、今後自分がイエス・キリストを異邦人、王たち、イスラエルの子孫の前に運ぶために選ばれた主のしもべだということを知ります。前はイエスを信じる人を縛り上げて滅ぼした者でしたが、今は主にあって新しい人になったのです。ユダヤ人たちに福音を伝える生き方に完全に変わったのです。
2. 多くの苦しみと迫害の中でも、ただ感謝した使徒パウロ
パウロは罪人を救うために十字架につけられて死なれたイエス様の大なる愛を悟ると、自分がまるで「罪人のかしら」のように思われました。自分のすべての咎と罪を赦して、尊い使命まで下さった主の恵みにとても感謝しました。福音を伝えながらひどい迫害と困難にあっても、主への心は変わることがありませんでした。
<第二コリント11:23_27>から、使徒パウロが福音を伝えながら、どんな苦しみにあったのか具体的にわかります。「私の労苦は彼らよりも多く、牢に入れられたことも多く、また、むち打たれたことは数えきれず、死に直面したこともしばしばでした。ユダヤ人から三十九のむちを受けたことが五度、むちで打たれたことが三度、石で打たれたことが一度、難船したことが三度あり、一昼夜、海上を漂ったこともあります。幾度も旅をし、川の難、盗賊の難、同国民から受ける難、異邦人から受ける難、都市の難、荒野の難、海上の難、にせ兄弟の難に会い、労し苦しみ、たびたび眠られぬ夜を過ごし、飢え渇き、しばしば食べ物もなく、寒さに凍え、裸でいたこともありました。」
このように使徒パウロは死に至るまで忠実でありながら多くの苦しみを受けましたが、主への愛はさらに深まる一方でした。いくらつらくて苦しい状況でも、気を落としたり恨んだりすることなく、監獄に閉じ込められてもむしろ喜んで感謝し、前にある目標を目ざして走って行ける、むちだと思いました。また、魂を救って天に多くの報いを積むだけでなく、主の十字架の愛を悟って恵みに報いられる機会を下さったことに心から感謝しました。
ひょっとして皆さんは苦しみとも言えない小さい困難にも、すぐ絶望して気を落としてはいないでしょうか。神の国のために忠実に仕え、すべてをささげるまで献身したのに、願うとおり祝福が臨まないとき、悲しんではいなかったでしょうか。自分から失望して「私は愛されていない人のようだ」という肉の思いのゆえ、多くの分野であきらめてしまってはいなかったでしょうか。どんな状況に置かれたとしても、使徒パウロのように自分を救ってくださった主の恵みに心から感謝して、小さい使命でも尊く思って、忠実でありますように。
3. 魂への愛がまさっていた使徒パウロ
使徒パウロは魂への愛がどれほど大きかったのか、<ピリピ1:8>で「私が、キリスト・イエスの愛の心をもって、どんなにあなたがたすべてを慕っているか、そのあかしをしてくださるのは神です。」と言うほどでした。
イエス様が十字架につけられて苦しみを受けながらも、罪人を憐れんで祈られたように、使徒パウロもひどい迫害と苦しみを受けながら、ただ教会と聖徒たちのことを心配して祈りました。ひとりでも多く救われるように、聖徒たちが真理にあって生きるように、涙とともに訓戒して祈り求めました。福音を受け入れた人々だけでなく、福音を排斥して迫害する人々に対しても同じでした。
<ローマ9:1_3>に使徒パウロの告白が記されています。「私はキリストにあって真実を言い、偽りを言いません。次のことは、私の良心も、聖霊によってあかししています。私には大きな悲しみがあり、私の心には絶えず痛みがあります。もしできることなら、私の同胞、肉による同国人のために、この私がキリストから引き離されて、のろわれた者となることさえ願いたいのです。」
ここで「私の同胞、肉による同国人」とは、自分のようなユダヤ人とパリサイ人であって、パウロを迫害して妨げた人々を指しています。ユダヤ人の中にはパウロを殺すまでは飲み食いしないと誓い合っていた者たちもいました。それでも、彼は自分が救われないとしても、自分を迫害して妨げた人々が救われることを願いました。「この私がキリストから引き離されて、のろわれた者となることさえ願いたいのです。」と言いながら、自分が地獄に落ちても魂を救おうとする心が切実でした。神の啓示を受けて誰より地獄の惨憺たる有様と恐ろしさをよく知っていながらも、大胆に告白できたのは、自分のいのちより魂を愛する心がまさっていたからです。
4. 天国の希望で満ちていた使徒パウロ
使徒パウロは多くの苦しみと迫害を受けながらも、将来主にお目にかかれるという天国への希望であふれていました。この世の何も主とは比べられなかったので、自分のすべてを捨てて、完全に主のために献身しました。
<ピリピ3:7以下>で「しかし、私にとって得であったこのようなものをみな、私はキリストのゆえに、損と思うようになりました。それどころか、私の主であるキリスト・イエスを知っていることのすばらしさのゆえに、いっさいのことを損と思っています。私はキリストのためにすべてのものを捨てて、それらをちりあくたと思っています。それは、私には、キリストを得、また、キリストの中にある者と認められ、」と告白しました。
使徒パウロは主から受けた使命、神の恵みの福音をあかしすることに、いのちを惜しみませんでした。行ったとおり報いてくださる神を変わらず信じて、天国への希望を持って、どんな迫害がやって来ても、喜びと感謝で勝利しました。
<第二テモテ4:7_8>に「私は勇敢に戦い、走るべき道のりを走り終え、信仰を守り通しました。今からは、義の栄冠が私のために用意されているだけです。かの日には、正しい審判者である主が、それを私に授けてくださるのです。私だけでなく、主の現れを慕っている者には、だれにでも授けてくださるのです。」とあるように、ただ天国への希望で満ちていました。
彼は主に出会ってから一度も主の恵みに感謝する心が変わらなかったし、主への熱い愛が冷めませんでした。福音を伝えるために死に至るまで忠実であって、最後に殉教に至る時もただ感謝だけでした。「私の人生はこんなふうに終わるんだな!」と千々に乱れた心や悔恨を感じたのではなく、死の恐れによる硬直した心情ではなおさらありませんでした。むしろ、あまりにも会いたかった主にもうすぐお目にかかれるという喜びで胸がいっぱいでした。
使徒パウロは真心と全き信仰を持っていたので、天国への希望で喜びと感謝があふれていました。自分が苦しみにあうことを許されて完全になさる神の愛に心の奥から感謝したので、試練を通して神の力を受け、大使徒として数多くの魂を救って、神に栄光を帰しました。
皆さんも主の愛に対する恵みと感謝が変わらないで、天国への希望を持って、死に至るまで忠実であって、再び来られる主を慕いますように。
* まとめと適用
1. きっすいのヘブル人であり、当代最高のガマリエルのもとで教育を受け、律法に詳しいパリサイ人であって、主に出会って異邦人の使徒になった人は誰でしょうか。
2. 使徒パウロが言った「私の同胞、肉による同国人」とは誰を指しているでしょうか。
3. 使徒パウロが福音を伝えながらどんな苦しみを受けたのでしょうか。<第二コリント11:23_27>を参考にして書いてみてください。
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* 今週の課題
次回からは「隠れたマナ1」シリーズに入ります。第1課はルツの善について学びます。ルツ記1章を読んできましょう。
* 知って力にしましょう
「パウロ書簡」
パウロによって書かれた手紙で、新約聖書27巻のうち14巻がこれに該当する。すなわち、ローマ人への手紙、コリント人への手紙第一・第二、ガラテヤ人への手紙、エペソ人への手紙、ピリピ人への手紙、コロサイ人への手紙、テサロニケ人への手紙第一・第二、テモテへの手紙第一・第二、テトスへの手紙、ピレモンへの手紙、ヘブル人への手紙である。特にエペソ人への手紙、ピリピ人への手紙、コロサイ人への手紙、ピレモンへの手紙は獄舎で記したので、獄中書簡と言う。
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