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聖書の学び
Title
第39課 「モーセの善(2)」
Speaker
堂会長 イ・ジェロク 牧師
Bible
Date
2010-10-01
読むみことば: 民数記12:3、7
覚えるみことば: 民数記12:3
参考にするみことば: 出エジプト32:31-32
教育目標
出エジプトの指導者モーセが地上のだれにもまさって非常に謙遜であり、全家を通じて忠実であって、神が喜ばれた善について調べる。
モーセはエジプトの王子として罪の楽しみを受けるよりは、神の民とともに苦しむことを選び取り、荒野で訓練を受けながらも、ただ感謝する善があったので、神が出エジプトの指導者として立てられました。
今回は出エジプトの指導者モーセが、どんな善をもってイスラエルの民をエジプトから連れ出して、約束のカナンの地に導いたのか調べてみます。
1. 地上のだれにもまさって非常に謙遜であったモーセの善
神が言われる「謙遜」とは、「穏やかで柔和な心に徳が兼ね備わっていること」です。まるで蒸し暑い夏に大木が多くの人々に休めるような陰を提供するように、すべての人を心にいだけて、多くの人が宿って休める心であり、綿毛のように柔らかくて暖かい心です。
それで、柔和な人はどんな状況でも誰ともひっかからないで、すべての人との平和を追い求めることができます。自分の思いと教養と合わない人も十分にいだいて、どんなことも悪をもってさばいて罪に定めません。いつも相手の立場で理解し、謙遜な心で相手に仕えます。他の人に対して気を悪くすることもなく、人の気を悪くもしません。いくら信仰が弱くて悪を行なう人でも、顔を背けないで、最後まで変えられることを期待して待ってあげます。相手がもっとよくやれる道を知って、その道に導いて、助けてあげるのです。
このような霊的な柔和の実が結ばれていたのが、まさにモーセです。彼は壮年の男子だけでも約60万人に及ぶイスラエルの民をエジプトから連れ出し、彼らをカナンの地に導く40年の過程で、つらくて苦しい状況にたくさんあいました。
イスラエルの民は神がモーセとともにおられる数多くの不思議としるしを見ながらも、繰り返し神のみこころに逆らって、罪を犯しました。それだけでなく、ごく小さい困難にあうだけで、不平をこぼしました。エジプトで奴隷生活をしながら、苦しみの中で叫んでいた自分たちを導き出してくれたのに、エジプト軍が追いついて来ると、「エジプトには墓がないので、あなたは私たちを連れて来て、この荒野で、死なせるのですか。」と神の人モーセにつぶやきました。これは神に対してつぶやいたことと変わりありません。
そうして、モーセが切に祈って、葦の海が分けられ、エジプト軍が葦の海に沈んだのを見た後にやっと再び神をほめたたえましたが、これもつかの間だけでした。マラの水が苦くて飲むことができないと、また神につぶやいたし、モーセが祈って水を飲ませると、静かになりました。また、さほど経たないうちに、食べ物がないとつぶやくと(出エジプト16:3)、モーセが神に祈って、マナとうずらで彼らを養いました。
ところが、マナが降り始めたシンの荒野から旅立ち、レフィディムで宿営したとき、民は飲む水がないと、またつぶやきます。「いったい、なぜ私たちをエジプトから連れ上ったのですか。私や、子どもたちや、家畜を、渇きで死なせるためですか。」とモーセを石で打ち殺す勢いでした。すると、モーセは杖で岩を打って、水が出てくるようにして飲ませます。このように、イスラエルの民は少しだけ苦しいことが起きればつぶやいて、「神様は私たちとともにおられるのか」と疑ったのです。
そしてある日、イスラエルの民が神の御前に大きい罪を犯して、絶ち滅ぼされる危機に面しました。この時、モーセの柔和がどれほど優れていたか、そしてまことに柔和だということはどんなことなのかを見せてくれる、ある出来事が起こります。
[出エジプト32章]で、モーセが神の命令を受けるためにシナイ山に上がり、山から降りて来るのに手間取っていました。すると、民が鋳物の子牛を造って伏し拝み、乱れて飲み食いし、戯れました。神はこのような民を滅ぼすと言われます。この時、モーセは「今、もし、彼らの罪をお赦しくだされるものなら──。しかし、もしも、かないませんなら、どうか、あなたがお書きになったあなたの書物から、私の名を消し去ってください。」と切なるとりなしの祈りをささげます(出エジプト32:32)。
ここで「あなたがお書きになったあなたの書物」とはいのちの書のことで、そこから名が消し去られれば、地獄の火に落ちるようになります。モーセがこのことを知らないはずがないのですが、民が滅んでしまう危機に陥ったのを見ると、自分のいのちをかけて神に切にとりなしの祈りをささげたのです。神はこの祈りをお聞きになって、彼らを滅ぼそうとされたことを思い直されます。
モーセは自分のいのちと引き換えにしてでも、民を救いたいと願う切なる心でした。ひとりの魂も滅されないことを望まれる父なる神のお心に、そのとおり似せられた心から湧き出た告白でした。このように、敵のためにいのちも与えられる最高の善をもって、民を完全にいだいていこうとしたので、神もモーセが地上のだれにもまさって非常に謙遜であると認められたのです。
2. 全家を通じて忠実であったモーセの善
「忠実」とは、与えられた使命を完全に果たすことはもちろん、任せられた職務以上をあふれるほど果たすことです。さらに「全家を通じて忠実」とは、教会だけでなく、家庭、職場、事業の場など、自分が属するあらゆる分野で忠実であることです。
このように全家を通して忠実であるためには、自分の心とまこと、時間と物質までも惜しまないで、喜んで犠牲にしなければなりません。[ヘブル3:5]に「モーセは、しもべとして神の家全体のために忠実でした。それは、後に語られる事をあかしするためでした。」とあります。彼がどれほど自分を低くして任せられた使命を完全に果たしたのか、しもべと言われるほどだったことがわかります。
モーセの使命は、イスラエルの民をエジプトから連れ出して、カナンの地に導くことでした。ところが、少しだけ困難がやって来ればモーセを恨んで立ち向かう民を、神が約束として与えてくださったカナンの地に導かなければなりませんでした。民の指導者になれば、それだけ負っていかなければならない荷が多くて、時にはその荷が心に大きい負担として迫ってきたりもします。
しかし、モーセは責任を回避したり、使命を放棄したりしなかったし、どんな困難がやって来ても、神を信じて難関を突き抜けていきました。民に対しても父親のような心でいだいて、彼らが神の望まれる民になるように、最善を尽くして導きました。
モーセは、エジプトから民を連れ出した日から神に召される日まで、ただの一瞬も気楽に過ごしたことがありませんでした。モーセが民のために流した涙と、彼らのために叫んでささげた悲しみの祈りは、言葉ですべて表現できません。神にモーセがいつも切に祈った内容は、まさに「この民を捨てないで、神様のみこころによって導いてください」というものでした。
このような心を持っていたので、神もモーセを信頼して、大きい神の力を現すようにしてくださいました。この他にも、モーセ五書を授けられただけでなく、神は、人が友と話すように、モーセと深く交わられました。
このように神と深く交わって、驚くべき神の力を現しましたが、モーセはいつも神の御前で申し訳なく思っていました。出エジプト第一世代のうち、カナンの地に入った人がたったふたりにすぎず、ほとんどが出エジプト第二世代でした。彼らがカナンに入れたのも、モーセが正しく導いた結果ですが、モーセはいつも神の御前に実が少ないことを申し訳ないと思っていました。神が自分に神の力を賜って、多くのことが実現できるようにしてくださったのに、もっと豊かな実を結べなかったことに、いつもすまない心だったのです。
[ルカ17:10]に「あなたがたもそのとおりです。自分に言いつけられたことをみな、してしまったら、『私たちは役に立たないしもべです。なすべきことをしただけです。』と言いなさい。」とあるように、モーセは役に立たないしもべの心で、いつもへりくだっていました。
ところで、皆さんはひょっとして「自分に任せられた使命が重たくて、あまりにもつらい。使命を手放して休みたい」と考えたことはないでしょうか? そうだったら、民をエジプトから連れ出してから神に召される時まで、気をもみながら一時も安心できなかったモーセの心を、一度考えてみてください。全家を通じて忠実でありながらも、実が少ないことを申し訳なく思うモーセの心を思い出してみてください。
[エレミヤ17:7-8]に「主に信頼し、主を頼みとする者に祝福があるように。その人は、水のほとりに植わった木のように、流れのほとりに根を伸ばし、暑さが来ても暑さを知らず、葉は茂って、日照りの年にも心配なく、いつまでも実をみのらせる。」とあります。皆さんもモーセの善に似せられて、謙遜で、柔和で、全家を通じて忠実であり、神の国に尊く使われる巨木になりますように。
* まとめと適用
1. エジプトから出たイスラエルの民にとって、最も苦しいことは何だったでしょうか?
①暑い日ざしの荒野 ②飲む水と食べ物がないこと
③神を信じられない不信仰 ④偶像
2. 罪を犯した民にモーセが公義を超える愛を見せた内容の聖句を探して、空欄に書き込んでください。(出エジプト記 章 節)
3. 堂会長先生の行ないを通して自分が感じた、魂への愛を分かち合ってみましょう。
* 今週の課題
次回はアブラハムの善について学びます。創世記13章を読んできましょう。
* 「用語」を知って力にしましょう!
「マナ」とは?
エジプトから出てきたイスラエルの民が荒野で食べ物がないとき、神が天から降らせてくださった食べ物である。地に降りた白い霜のような、うろこのような細かいもので、かたちはコエンドロの種のようだった。ひき臼でひくか、臼でついて、なべで煮て、パン菓子を作って食べた。その味はおいしいクリームのようだった。
73, Yeouidaebang-ro 22-gil, Dongjak-gu, Seoul, Korea
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